こんにちは、副所長(妻)です。

この記事を読みました。
上野千鶴子先生、働く女は幸せですか? 日本の女たちを「不良債権」にしたのは誰か

働く女性の問題をいつも鋭く指摘する上野さんへのインタビュー記事です。
読んでいない方もいるかもしれないので、印象的なところを一部引用します。

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”でも、「この人を見習え」と、ワーキングマザーの生きづらさを「個人の問題」に還元するのはよくないわよ。ここに載っている人たちは、「特別な条件に恵まれた人たち」。「私にはまねできないわ」という女性がいて当然。まねができなければ、うらやましくないと思うのが普通でしょう。
だいたい、女たちが快適に育児と仕事の両立ができないのは、個人の問題よりシステムの問題なんだから。”

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”日本企業は、女性社員が育休明けに時短をとったり、それどころか育休を取っただけで査定を下げるでしょ。口では「いや、ウチは下げません」と言っても、やっぱり下げるじゃない。
育休や時短をとる権利があっても、行使すると、ペナルティを与えるのが会社なのよ。会社より、私事を優先したとして罰を与えるの。”

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”だから、ワーキングマザーが短時間勤務でも成果を出すと、会社は評価するどころか、内心嫌がるでしょ。オジサンは許さないでしょ。なぜなら、平均的な人材が平均以上の力を発揮する企業文化を乱すからよ。日本のサラリーマンの労働生産性は先進国一と言っていいほど低いのに、それを女たちが言葉ではなく、行動で示すと、オヤジは許せないの。
それと、「日本型雇用慣行」は離職や転退職、再入職が困難だという事態をも引き起こしてしまった。だから女たちは、子どもの成長具合などにより、会社を出たり入ったりができないの。”

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ああ、そのとおりだな、と思いました。
ワーキンズマザーを話題として扱うときによく出る問題 – 例えば育休切り、逆マタハラ(周囲への迷惑)、モチベーション低下、etc – の原因に現存システムおよび現存マインドというのは多分にあって、システムの改善というのは必要不可欠なことであると私も考えています。
特に今後介護などで男女問わず中長期的な時短勤務を選択する人がますます増えるであろうことからも、システムの面での整備は急いでほしいなと感じます。

一方で。
この記事を読んだときに、ちょっとした「ハテナ?」がありました。上野さんの言っていることは事実だろうし、れっきとした社会問題なんだけど、でも「これだけでいいんだっけ、この問題」というちょっとした違和感のようなものがあったのです。
なんだろうとしばらく考えたところ、一つの考えに行き当たりました。
それは一人の労働者としてはシステムの問題ばかりを嘆いていても前に進めない、ということ。

みんな自分の持つ武器や環境の中で生きていて、そして勝負しているんですよね。
その人の生き方が自分を囲む環境によって大きく左右されるのは事実であれ、その環境の中でどう対応していくかを考えて勝負するしかないわけです。
そして前提として、自分を囲む環境は与えられたものであり、自分で選択してきた結果でもある。
であれば、その環境でどうしても力を発揮できない、分が悪いと感じるなら、その環境を変える選択肢を検討に入れる価値はあると思います。
もうここではどうしようもないなと思ったらそこから出る選択をし、取り囲む環境を変える。
そうやって勝負するのも手なんじゃないかと思います。
そうしないと、ずっとシステムだけを見て嘆いていては、いつまでも自分が気持ちよく働くことができないかもしれないのだから。

以前どこかで読んだDeNAの南場さんのインタビューで、こんな趣旨のコメントがありました。出典がなくてすみません、理解を間違えてたらさらにすみません。

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”給料をもらって働いている以上、常に成長を目指さないといけない。時短勤務をしている期間は評価されなくても仕方ない、ある意味当然でもある。大事なのは成長を続け、時短勤務が終わってからどんどん働き、上昇していけること。”

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最初これを読んだとき、そのとおりかもしれないけど耳が痛いな、苦しいなと思いました。
上野さんのインタビューを読んだときはそのとおりだな、よく言った、と思ったのに。

その違いは南場さんが現場で働く人であり、上野さんが社会学者であるからなのだと思います。
上野さんの立場ならシステムが改善されるべきであることを主張して当然だし、南場さんの立場なら自分の手でなんとかしましょうというメッセージがでて当然。
ちなみに南場さんは管理職女性登用のクオータ制には反対の立場ですよね。システムで解消するのではなく、実力のある人材を素直に取り上げればいい、そこに男女の別をつけなければいい、ということはあちこちのインタビューで繰り返し主張されていること。

このお二人のメッセージを合わせて考えたとき、やはりシステムを改善すべく声をあげていくことも重要だし、同時に働く立場としては自力で打開策を模索することも重要なんだろうなと思い至ったのでした。
おしまい。



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働く女性と上野千鶴子と南場智子

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